ARグラスブランド「XREAL」の新製品「XREAL One」の先行レビューの機会を得た。同ブランドの製品は、ブランド名が「NREAL」だった時代に1度使ったことがあるのだが、じっくり使い込むのは1、2年ぶりである。
価格は6万6980円。従来モデルや競合製品と比較するとかなりリーズナブルだと思う。発売は2025年1月17日。
XREALシリーズは、端的にいうとサングラス型の外部ディスプレイだ。スマホやパソコン、あるいは専用デバイスの「XREAL Beam」と有線接続することで、そのデバイスの画面をミラーリング表示する。
従来は、スマホやパソコンと接続するには専用のアダプタが必要だった(パソコンの場合は専用アプリ「Nebula」のインストールも必須)。XREAL→ケーブル→専用アダプタ→ケーブル→スマホ化パソコンという組み合わせだ。
しかし、XREAL Oneは独自の「X1チップ」を搭載することで、スマホやパソコンとケーブル1本で接続できるようになった。「One」の名を冠するに相応しい、ブランドのターニングポイントとなるモデルなのだ。
ケーブル1本で接続するため非常に取り回しがいい。図はMacBookと接続した例。
本記事では、そんなXREAL Oneの使い勝手と魅力を、利用シーンとともにお届けしよう。
暗闇に現れる最大367インチの大画面。サウンド面も臨場感たっぷり
iPhoneが手放せない。余暇時間や移動中に使うのはもちろん、トイレや風呂にも当たり前のように持ち込んでいる。動画やラジオを再生したり、「X」のタイムラインをスクロールしたり、「note」で何か書いたり、「ポケモンスリープ」できのみや食材を回収したり…。ほぼ“常に”、iPhoneは働いている。
そんな私だが、「ここだけはiPhoneに触らない」と決めている時間がある。それは、息子を寝かしつけるとき。
絵本を読んで、電気を消して、ベッドに寝転がして布団をかける。あとは寝付くまでお腹の辺りをポンポンと叩いてやる(素直に寝ないことがほとんどだが)。ただ、iPhoneに触れないのは息子が寝るまで。寝てから深い眠りに入るまで、15分ほどそのまま隣にいるのだが、その時間はiPhoneを手に取る。
これまでは、動画や音声コンテンツは控えるか、サウンドをオフにしていた。しかし、XREAL Oneがあれば話は別だ。
絵面は滑稽だが、眠る息子の隣でサングラス(XREAL One)を装着して寝転ぶ。最近はもっぱら、「楽天NBA」アプリで試合観戦をしている。眼前に147~367インチの大画面が広がり、開放型スピーカの音質も素晴らしい。クリアで立体的なサウンドは、オーディオブランド・Boseと共同でチューニングが行われている。あくまで体感だが、いたずらに音量を上げなければ音漏れもあまり気にならない。
眼前に広がる大画面。電気を消して真っ暗な部屋でも視認性に問題はない。
画像●XREAL
スポーツ観戦もゲームプレイも。“酔”わずに楽しめる!
XREAL Oneの解像度は、解像度は片目あたり最大フルHD(1920×1080画素)。レンズ部分の内側にマイクロOLEDディスプレイが搭載されており、そこに映した映像をハーフミラーに投射し、ユーザはそれを観る仕組みだ。そして画面視野角は50度。最大リフレッシュレートは120Hzである。
デバイスに接続中、レンズを覗き込むと投影されている映像が見える。
先に書いたように、スピード感あるスポーツの試合映像も大満足のクオリティで楽しめた。この手の製品でよくいわれる、“酔い”の症状も私はなかった(当然ユーザの適性にもよるだろうが)。
ゲームアプリも試してみたが、アクションゲームもスムーズに遊べた。この辺りは、ブレ補正がかなり効いているのだと思われる。
ちなみに、XREAL Oneで表示する画面は、ユーザの顔の動きをトラッキングするか、固定するかを選択できる。コンテンツに集中するときは固定するのが良さそうだ。ただ、トラッキングも非常に滑らかである。
本体の右側のつるにあるオレンジ色の「Xボタン」。ディスプレイのトラッキングと固定を切り替えたり、長押しで設定を呼び出したりできる。
設定画面を表示しているときのイメージ。画面サイズや距離、「X」ボタンの挙動のカスタムなども可能だ。
画像●XREAL