店舗運営が変わる!お店にスマートロックを導入すべき7つの理由

アットダイム 3 週 前
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飲食店から各種小売店まで、店舗運営において悩ましい課題のひとつに「カギの管理」がある。そこで今、導入が増えているのがスマートロック。もしお店のカギを従来のシリンダー錠からスマートロックに変えたら、どんなメリットがあるのだろうか。今回は飲食店店主やショップオーナー必見の店舗運営が劇的に変わる、スマートロックの選び方にフォーカスする。

店舗向けスマートロックとは?

管理人や警備員が常駐する大規模な商業施設などでは、施設側でカギが集中管理されているケースもあるが、そうでない場合、お店のカギは店舗ごとに管理されている。路面店の場合はシャッターや搬入口、テナント店の場合はビルの通用口や店舗の入り口など、店長などの責任者が複数のカギを管理しているお店が多いのではないだろうか。

個人経営の小規模な店舗なら、オーナーや店長がカギの開閉をすべて自分でやっているという場合もあるだろうが、店舗の規模や営業形態によっては、開閉をほかの人に任せざるを得ない。その際に課題になるのが、カギを「どう管理するか」と、「どう受け渡すか」だ。これは店舗スタッフに加えて、納入業者や清掃会社など、多くの人が出入りする店舗が抱える、共通の悩みではないだろうか。

中には合鍵を作ってスタッフに持たせたり、立ち合いが難しいなどの理由から、取引先にあらかじめ合鍵を託して、搬入などを任せたりしているケースもあると聞く。だが、合鍵が増えればその数だけ管理が煩雑になるし、紛失などトラブルのリスクも高まる。かといってカギが1つだけでは、店を閉める遅番のスタッフから、店を開ける早番のスタッフへどう受け渡すかといった課題が生まれる。そこでスマートロックの出番だ。

スマートロックは物理的なカギを差し込んでサムターンを回し、ドアを開閉する従来のシリンダー錠とは異なり、スマートフォンやICカード、暗証番号の入力、あるいは生体認証などを使用して、電子的にドアを解錠、施錠できる。現在、様々な種類の製品が提供されていて、その多くが既存のシリンダー錠の上から後付けで設置できるようになっている。

加えて多くのスマートロックでは、ドアを解錠、施錠ができる権限を、複数の人に対して発行できる。また、時限付きの権限を発行することも可能。たとえば取引業者などに対して、必要に応じてその都度権限を発行するといったことも、できるようになっている。権限を持っている誰が、いつ開け閉めしたのかといった履歴も記録されるので、これまでよりもしっかりとお店への出入りを管理できる。

悩み別!スマートロックで店舗運営はこう変わる

お店が抱える悩みがスマートロックでどう解決できるのか、具体的に見ていこう。

「カギの受け渡し時の手間、トラブルをなくしたい」

1.受け渡しが不要で紛失・盗難の心配もなし

スマートロックの解錠に使用するのは、スマートフォンやICカード。物理的なカギは不要になるので、面倒な受け渡しの必要がなくなる。カギをどう受け渡すかを念頭に、スタッフのシフトを組む必要もなければ、受け渡しのためにわざわざどこかへ足を運ぶ手間も不要。また物理的なカギがなければ、紛失や盗難のリスクもなくなる。カギを持って帰ったスタッフが、翌日遅刻してお店に入れないといった日々の困りごとや、バイトが知らない間に合鍵を作っていた……なんてトラブルとも無縁だ。

「人の出入りが激しいので、合鍵の管理が大変」

2.権限の発行、無効化がカンタンにできる

スマートロックでは複数の人にカギの権限を発行できる。合鍵をつくるのと同じようだが、誰が権限を持っているのかをしっかり管理できるだけでなく、万が一スマートフォンやICカードを紛失した場合には、すぐに権限を無効にすることもできる。バイトが急に辞めたら、合鍵を回収するのは大変だが、スマートロックならその時点で該当の権利を無効化すればいいだけ。逆に新たな権限を発行するのも簡単なので、人の入れ替わりの激しい現場でも運用がしやすい。

「簡単かつセキュアにお店に出入りしたい」

3.スマホやICカード、暗証番号入力で解錠できる

スマートロックの解錠方法にはいろんな手段がある。たとえば住宅向けでよく見かけるのが、スマートフォンのアプリからBluetooth経由で屋内のスマートロックを操作して解錠する方法。ドアの外側にカードリーダーを設置し、ICカードやNFCに対応したスマートフォンをかざして解錠する方法なら、よりカンタンかつ素早く解錠できる。外側に専用のパネルを設置して、よりシンプルに暗証番号を入力して解錠する方法も。また最近は顔認証や、指紋認証といった、生体認証に対応するスマートロックも登場している。

「既存の設備を大きく変えずに導入したい」

4.ドアに後付けで設置可能で大規模工事は不要

スマートロックの中には、ドアのシリンダー錠をまるごと交換して取り付けるものもあるが、多くは既存のドアに後から設置することができる。賃貸物件などで原状回復ができるように、強力な両面テープでサムターンの上から被せるようにして固定できるものも多い。ほかに独自の工法でドアを傷つけることなく完全固定できるものもあり、メーカーによって様々な方法が選択可能。中には引き戸に取り付けられるタイプもあるので、どのようなドアでも導入できる可能性がある。

「カギの閉め忘れのリスクをなくしたい」

5.自動で施錠するオートロック機能を搭載

スマートロックの多くには、解錠後一定時間経過後またはドアが閉まったのを確認して自動的に施錠する、オートロックの機能が備わっている。多くの人が出入りする店舗で、うっかり閉め忘れを防げるだけでなく、最近は時限の解錠権利の発行とオートロックを組み合わせることで、無人店舗の出入りを管理するといった用途に活用されているケースも増えている。

「開店前後の業者立ち合いをなくして効率化したい」

6.セキュアな一時的なカギの発行ができる

スマートロックを導入すれば、納入業者や清掃会社に入店してもらうために立ち会う手間もなくなるし、合鍵を託すというリスクを冒す必要もなくなる。頻繁に出入りする取引先には専用の権限を発行することもできるし、点検など一時的なものなら、必要なときだけ時限付きの権限を発行することもできる。いずれの場合も、誰がいつ出入りしたかは記録されるため、約束の時間に来ていない、滞在時間が長いといった不審点があった場合に、把握できるのも安心だ。部外者が入る際のリスクを最小限にとどめつつ、受け渡しや立ち合いの手間を削減できる。

「離れた拠点のカギの状況もまとめて管理したい」

7.Wi-Fi経由でインターネット接続し、遠隔操作可能

スマートロックの中には、オプションのWi-Fi機器を設置することで、インターネット経由での遠隔操作ができる製品もある。姉妹店など離れた場所にある店舗のカギの状態を、本店でリアルタイムに把握可能。取引先などの出入りが必要な際には遠隔操作で解錠することもできる。一方で、カギがインターネットにつながるリスクもある。たとえば、Wi-Fiの電波が届きにくい場所や地下などでは注意が必要だ。ハッキングの恐れもないとはいえないので、セキュリティの強化も必須だ。

店舗向けのスマートロックの選び方

お店にスマートロックを導入すれば、カギを「どう管理するか」「どう受け渡すか」という、店舗運営における悩ましい課題から解放される。誰がいつ出入りしたかもわかるので、これまでよりもお店のセキュリティを強化することにも繋がるだろう。既存のシリンダー錠に後付け可能な製品なら、それでいて導入もカンタン。多くは電池式なので、ドアの環境を問わず、取付けしやすいのもうれしいポイントだ。以下に店舗向けに使用できるスマートロックの一部をまとめたので、ぜひ参考にしてほしい。

選ぶ際のポイントは取付方法のほか、通信方式、解錠方法など。たとえば通信方式がBluetoothの場合、Bluetoothはヘッドフォンなどでも使用されている汎用の規格なので、多くの人が行きかう場所にある店舗では、電波干渉や接続が不安定にならないかという点にも留意する必要があるだろう。NFCの場合は、手持ちの交通系ICカードやスマートフォンをそのまま利用できるケースが多い。

このほか複数店舗がある場合は、遠隔操作で状況を確認できると効率的。閉め忘れを防げるオートロックは必須機能だが、ほとんどの製品で利用できる。設備のメンテナンスや清掃、納入業者など、出入りする取引先が多い場合は、時限付きなど一時的に使える権限を発行できる機能があると、管理がぐっとラクになる。

電源はドア付近にコンセントがあるなら、AC電源が接続できる方が電池切れの心配がないが、電池なら停電時にも使えるというメリットがある。電池寿命は長いほうがいいが、スマートロックの機種によっては、コンビニ等で容易に入手出来ないリチウム電池でしか動かない製品もあるので、交換時期や入手方法はしっかり把握しておく必要がある。後付け可能なこれらのスマートロックは、導入コストも比較的安価なので、早速導入して煩わしい「カギの管理」から解放されよう。

取材・文/太田百合子

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