「少子化の時代、これ以上、大学を増やすべきでない」という論調にあらがう県がある。人口10万人当たりの大学の数が全国で最も少ない佐賀県だ。県立大が2029年に新設されるほか、県内唯一の国立大学である佐賀大学に「コスメティックサイエンス学環」ができ、来年度には初めて学生を迎える。なぜ今、コスメティックサイエンスなのか、なぜ今、大学が必要なのか。佐賀県庁や佐賀大学の取材で見えてきたのは、「地方の生き残り」が大学の存在そのものと直結しているという現実だった。