互助共助コミュニティ型資源回収ステーション利用で介護リスク15%低下 千葉大 | Okensaku.com

互助共助コミュニティ型資源回収ステーション利用で介護リスク15%低下 千葉大

Science Portal 1 日 前
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互助共助コミュニティ型資源回収ステーション利用で介護リスク15%低下 千葉大

 高齢者が互助共助コミュニティ型資源回収ステーションの拠点を利用すると、要介護・要支援になるリスクが15%低下することを、千葉大学などの研究グループが実証した。奈良と福岡の3カ所で、資源回収ステーションに隣接したカフェや販売所、畑を設けることで男女ともに利用者を確保できた。地域包括ケアの推進や介護予防策への貢献が期待されるとしており、今後は拠点の利用頻度や、併設施設での役割による違いを調べたいという。

 千葉大学予防医学センターの阿部紀之特任研究員(社会疫学・予防医学)らは、奈良県生駒市の1地区と福岡県大刀洗町(たちあらいまち)の2地区に設置された拠点の利用者に対し、利用前後で「約3年以内に要介護・要支援になるかどうか」を調べるために、運動機能や栄養状態を観察する尺度を用いて、65歳以上の高齢者に対する郵送調査を2020年から22年にかけて行った。

 拠点には単に資源(ごみ)出しの役目だけでなく、小規模農園の運営やそこで収穫した作物の共有・販売、カフェ、ケーキの販売所を設け、体を動かしたり、他人と話したりといった社会活動ができるコミュニティの場を提供した。これにより、「高齢者のコミュニティに関する研究は女性の参加率が高くなる傾向にある」「コミュニティに参加する人は元々健康意識が高い」という研究上の偏りを解消するように努めた。

奈良と福岡の3カ所で行われた拠点の社会実証の様子。資源(ごみ)出しの際に、高齢者が集い、話をしたり、社会的な役割を担ったりする(千葉大学提供)奈良と福岡の3カ所で行われた拠点の社会実証の様子。資源(ごみ)出しの際に、高齢者が集い、話をしたり、社会的な役割を担ったりする(千葉大学提供)

 対象となった2554人中、郵送式のアンケートに同意して回答した973人について、拠点を利用した場合の要介護・要支援リスクを、しなかった場合と比較した。973人中、男性は455人、女性は518人だった。

 拠点ができる1年前と、設置後にアンケートを取った結果、拠点を「1度でも利用した」と答えた高齢者は、「利用しなかった」という高齢者に比べて、「約3年以内に要介護・要支援になるリスク」が15%低下していた。また、拠点を利用した高齢者は、利用しなかった高齢者に比べ、外出機会や交流機会、地域活動に参加する機会が増えており、運動機能や社会性を保つような行動を取っていた。阿部研究員は「15%は予想より高かった。介護予防を意識した行動ではなく、拠点の利用によって介護予防効果が得られたのは驚いた」と話している。

拠点を利用することで、要介護・要支援になるリスクが低下していた(千葉大学提供)拠点を利用することで、要介護・要支援になるリスクが低下していた(千葉大学提供)

 生駒市の拠点は徒歩で行けるが坂道が多く、大刀洗町の2カ所ある拠点はいずれも自家用車での利用が多かった。阿部研究員は理学療法士でもあり、「歩くほうが、運動負荷がかかって介護リスクを減らせるように思えるが、クルマでの来所者が多かった大刀洗町を含めた分析でも介護リスクが減ることを実証できた」と振り返った。

 阿部研究員は「資源(ごみ)出しのついでに、人が集まるところに立ち寄ることができれば、同様の効果があると思う。今後は、拠点を利用する頻度や、どのようなコミュニティであればより介護リスクを減らせるか、研究を続けたい」と話した。

 研究はアミタホールディングス、科学技術振興機構(JST)の産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム OPERAの助成を受けて行われた。成果は2025年10月15日に米国科学誌「プロスワン」に掲載され、同11月7日に千葉大学が発表した。

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