山口周が語る「のろしを上げ挑戦を楽しむ人生に」 ビジネスパーソンに送る人生を豊かにするヒント | ココが違う!結果びと | 東洋経済オンライン

東洋経済オンライン 2 週 前
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山口周さん

山口周さん(撮影:宇佐美雅浩)

今、世界的にビジネスの「パラダイム転換」が起きようとしている。

昨年の春、そう指摘したのは、著書累計100万部を超える人気著述家であり、独立研究家である山口周さんだ。

山口さんは、『クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ』の中で、いま「クリティカル・ビジネス・パラダイム」が勃興してきていると説いた。

「クリティカル・ビジネス」とは投資家、顧客、取引先、従業員などのステークホルダーの既存の価値観を否定的に考察し、これまでとは異なるオルタナティブを提案することで社会に価値観のアップデートを起こそうとするビジネスのことだ。

これから世界はどう動くのか。その変化に、私たちはどう向き合うべきか。その手がかりをオンライン取材で山口さんに聞いた。

「説得は無駄」だと言い切れる理由

ーーいざ会社で新しいことを始めようとすると、市場調査などで「顧客がこう言っています」という根拠を示せなければ、上司を説得できないと思っている人も少なくないように思います。どのようにすれば“社内の壁”を突破できるでしょうか。

私は人間の行為の中で、「説得」が一番無駄だと思っています。

そもそもピンときていない人は放っておいたほうがよくて「やりたいことがあるけれど、組織が動いてくれない」「上司がわかってくれない」のであれば、説得するのは無駄です。

では、どうすればよいか。政治学者のジーン・シャープやエリカ・チェノウェスも言っていますが、戦略として実行すべきは社会運動と同じで「のろしを上げること」です。

有名なジェフリー・ムーアが提唱したマーケティングにおけるライフサイクルカーブを見ると、イノベーター(革新者)は全体の2.5%、アーリーアダプター(初期採用者)は13.5%だと言われています。

言い換えれば、これまでにないコンセプトやマーケットが出てきたときに、「あっ、これは来ている!」と最初に飛びつける人は2.5%しかいないということです。

ライフサイクルカーブ

(画像:山口周氏提供)

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