
退職後に資産運用を続けていくうえで押さえておくべきポイントとは?(写真:bee/PIXTA)
いざ退職して、お金を使いながら運用するとなったとき、どんなことに気をつければいいのでしょうか? そこには制度的な落とし穴もたくさん存在するようです。
そこで本記事では、フィンウェル研究所の代表、野尻哲史氏の著書『100歳まで生きても資産を枯渇させない方法』より一部を抜粋、再編集し、資産を使いながら運用する際のコツを紹介していきます。
「使いながら運用」でリスクは自然に下がる
本稿では、退職後に資産運用を続けていくうえで押さえておくべきポイントをまとめます。
現役時代と比べて、株式や投資信託といった運用手段は変わりませんが、退職後ならではのポイントもあります。
たとえば、一般に「退職後はリスクを抑えるべきだ」といわれることから「退職後は、資産のポートフォリオ(配分)をどう変えたらよいでしょうか」と質問されることが少なくありません。
また「退職後も積立投資を継続すべきでしょうか」「新NISAをどう使ったらいいでしょうか」といった質問もよくいただきます。それぞれ、どう考えるべきかまとめていきましょう。
これまで積立投資で退職後に向けた資産形成に取り組んできた方であれば、「退職に向けて、株式などのリスク性資産比率を徐々に引き下げるべきだ」という指摘を耳にしたことがあるでしょう。
なぜ、リスクを引き下げなければいけないのでしょうか?
よくいわれるのは、「退職のときにリーマン・ショックのような金融市場の波乱が起きてしまったら、保有資産が一気に目減りしてしまうから」というものです。