パスワードはもういらない?大阪万博で世界を驚かせた日本発の「次世代決済」技術

ビジネスジャーナル 3 日 前
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 55年ぶりに日本で開催されている大阪・関西万博。その国際舞台で、キャッシュレス社会が抱える根源的な課題に切り込む日本発のベンチャー企業が注目を集めた。8月10日、大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンステージ」で開催された「第4回 METインクルーシブ・スマイルデー in 大阪万博 2025」に登壇した株式会社PAY ROUTEだ。

キャッシュレス社会の「見えないリスク」

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 クレジットカードやスマートフォン決済が普及し、キャッシュレスは生活に欠かせないインフラとなった。一方で、利用者は常にIDやパスワードの入力を求められる環境に置かれ、不正利用リスクも増大している。世界の被害額は2023年時点で4,290億ドルに達し、多要素認証さえ突破されるケースも少なくない。代表取締役・田川涼氏は、「ID・パスワードでの認証はすでに限界がきている」と指摘する。

「ROUTE PAY」が描く次世代認証

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 同社が開発した「RC-Auth」を基盤とする決済アプリ「ROUTE PAY」は、秘密鍵・公開鍵を用いた双方向認証によってID・パスワードを不要とする仕組みである。ユーザーは画面に表示される数桁のコードを入力するだけで認証が完了する。従来の3Dセキュアのように複雑なアプリ間移動は必要なく、「高いセキュリティ」と「シンプルな操作性」の両立を可能にした。

 来場者からは「難しい知識がなくても安心して使える技術だ」と驚きの声が上がり、体験した人々の関心を大きく集めた。

テレビが決済端末に変わる――「TVPAY」の可能性

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 続いて田川氏が紹介したのは、テレビに決済機能を付与する「TVPAY」だ。ROUTE PAYの認証を活用し、専用リモコンからショッピングやオンライン診療の決済までをテレビ画面上で完結できる。

 これまで別デバイスを使っていたテレビショッピングも、検索から購入・決済までをワンストップで実現する。特に高齢者にとっては、慣れたテレビ操作でオンライン診療や生活サービスを利用できる点が大きな魅力となる。高齢化が進む日本社会において、デジタル包摂の切り札となり得るだろう。

障がい者に寄り添う「YELLPAY」

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 さらに発表されたのが、障がい者専用キャッシュレス「YELLPAY(エールペイ)」。従来、障がい者手帳を利用した割引は現金決済が中心で、キャッシュレスの普及が進みにくい背景があった。

 YELLPAYでは、手帳情報を登録することでキャッシュレス決済でも割引が適用され、よりスムーズな買い物が可能になる。登壇したMETイノベーション国際推進機構・副代表の村上美文氏は「障がいのある方“も”使える仕組みではなく、障がいのある方の困りごとに特化した点に大きな意義がある」と強調した。

万博が示した「世界共通の課題」と日本発の突破口

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 今回のイベントには、吉村洋文大阪府知事や大阪観光局・溝畑宏理事長らも来賓として出席。雨にも恵まれ、来場者数は1万5,000人を超えた。ステージ前に人だかりができ、PAY ROUTEの技術は予想以上の注目を浴びたと言う。

 田川氏は最後に「PAY ROUTEの認証技術は、決済の安全性とシンプルさだけでなく、今まで見られなかった世界を実現していくことができる」と語り、万博という国際舞台から世界にメッセージを発信した。

 ID・パスワード認証に依存する現在の仕組みは、日本だけでなく世界が直面する共通課題だ。大阪万博での発表は、グローバルに展開可能なソリューションとしての第一歩となった。同社の取り組みは、決済分野にとどまらず社会のあり方そのものを変える可能性を秘めている。今後の普及の行方が、世界のキャッシュレス社会の未来を占う試金石となるだろう。

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※本稿はPR記事です

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